五十肩(肩関節周囲炎)

■五十肩の概要

一般に五十肩は、年齢に伴って発症し、
「肩関節周囲組織の退行性変化を基盤として明らかな原因なしに発症し、肩関節の痛みと運動障害を認める疾患群」と定義されています(広義の五十肩)
五十肩の中でも、炎症が肩峰下の滑液胞や関節周囲の筋肉などに広がった病変が「肩関節周囲炎」となります(狭義の五十肩 ※いわゆる五十肩と表現されることもある

五十肩は古くからある俗語ですが、病変部位が明らか、すなわち狭義の五十肩に限定して「肩関節周囲炎」という疾患名がつけられています。


40代~60代までが好発年齢で、肩の痛みや、痛くて肩が上がらない(可動域制限)が主症状です。夜中に肩がシクシク痛くて眠れない(夜間痛)も五十肩の特徴的な症状です。

狭義の五十肩(肩関節周囲炎)の場合、完治するまで半年~2年程度を要します。保存的な療法(手術をしない)が一般的です。

■肩関節周囲炎の分類

「肩関節周囲炎」は、発症組織によって下記のように分けられます。
・腱板炎
・肩峰下滑液包炎
・上腕二頭筋長頭炎

肩関節周囲炎に似た疾患としては、
・腱板断裂
・腱板損傷
・石灰化腱炎
・変形性肩関節症
・絞扼性神経障害
・頸椎疾患
などがあるので、鑑別に注意が必要です。

 

■肩関節周囲炎の症状

発症年代は40歳代~70歳代までに及びます。
特に痛みも何もなかったのに、日常動作(例えば、高いところの物を取ろうとして肩を上げようとしたとき)の中である日、何らかの違和感や軽い痛みを覚えたりすることから始まります。
最近、腕を後ろに回しずらくなった、とか、首の辺りの筋肉が時々つることが多くなった、などの初期症状を訴える方もいらっしゃいます。

女性の場合、日常動作としては、髪をとかしたり、エプロンの紐を背中で結ぶ、洗濯物を干すなどの動作が困難になります。

■肩関節周囲炎の経過

経過は3期に分けるのが一般的です。

1. 炎症期
何もしなくても、ジンジンするような痛みを肩の前方、あるいは奥に感じることがあります。この時期は、肩の痛みが激しく、夜間にズキズキ痛む(夜間痛)が発生することもあります。無理に動かすと、肩の炎症を増強させる恐れがあるので、出来るだけ安静にすることをお薦めします。
炎症期は個人差がありますが、数週間~1カ月程度続きます。

2.拘縮期
炎症期が過ぎると、ジンジンするような痛みが治まってきます。夜間痛も軽減してきます。
一方で、炎症期に起こった肩の内部の組織変化や、肩を安静にしていたことにより、肩関節が硬くなってきます(拘縮)。

この時期になると、肩を上げようとすると痛みが走ったり、肩が固まって腕が上がらないなどの日常生活動作に支障をきたすことになります。

拘縮期は、肩を温めたり、お風呂に入ったりすると症状が軽減することが多いです。期間は個人差が大きく、3ヵ月~1年、2年と長期に及ぶ方もいらっしゃいます。

拘縮期中は、無理しすぎないように(炎症を起こさないように)肩関節を動かして拘縮の度合いをなるべく軽くすることが大切です。
そのためには、「アイロン体操」など、いくつかの拘縮予防運動法が提案されています。

3.解凍期
拘縮期の無理のない肩の運動や、なるべく肩を温めるなどの工夫により、徐々に肩の動きが改善してきます。
拘縮期と解凍期は明確には区別できませんが、合せて数ヶ月から長い方で2年程度続くことが多いです。
解凍期の運動で徐々に肩の可動域が広くなってきます。
辛い五十肩から解放されますが、拘縮期や解凍期の拘縮予防運動を十分に行わないと、五十肩になる前まで可動域が戻らないことがあります。

■腰痛に対する当院のアプローチ

炎症期には、患部を直接指圧することは致しません。炎症を抑えるために全身の指圧をして血液循環を良くし、自己回復機能を上げます。また、辛い夜間痛発生時の対処方法などをアドバイスいたします。

拘縮期には、肩関節の炎症を発生させないように無理なく肩関節周辺の組織を押圧で緩めて行きます。このとき、肩関節だけでなく、体全体のバランスを診ながら可動域制限を解消していきます。

五十肩(肩関節周囲炎)は、改善に時間がかかる疾患です。早期から治療を行うことが大切です。
肩の周りに何か違和感を感じたら、当院にご相談ください。

当院での徒手検査により肩関節周囲炎などの疑いがある場合は、整形外科でのレントゲンやMRI検査、医師の診断をお薦めし、完治するまでのお手伝いをさせていただきます。