腰椎ヘルニア

■腰椎ヘルニアの原因と症状

腰椎は、5つの腰の骨(椎骨)が連結して出来ています。椎骨と椎骨の間には椎間板という円盤状の組織があり、椎間板の中心部には水分を含んだ柔らかい組織(髄核)があり、その外側は軟骨組織(線維輪(せんいりん))で覆われています。
腰椎ヘルニア
椎間板は、骨と骨の間に存在して背骨全体に掛かる重力やショックなどを吸収する役割を果たします。

しかし、加齢による椎間板の水分不足や、激しい運動、急に重い物を持つなどで、椎間板に強い力が加わると、線維輪から髄核の一部が外に飛び出し、背骨の中を走行する神経を圧迫します。
神経が圧迫されると、腰の痛みや太ももや足先までのシビレなどを生じます。

腰椎ヘルニアは、20代~40代の比較的若い男性に多く、高齢者でも発生します。

■腰椎ヘルニアの症状

腰椎ヘルニアは、
 ・急性に起こるもの
 ・慢性に起こるもの
に大別されます。
急性は、くしゃみをしたり、重い荷物を急に持ち上げたりしたときなどに、線維輪の外に出た(あるいは出ようとして膨らんだ)髄核が神経を圧迫して起こります。慢性の場合は、椎間板のストレスが徐々に加わって、神経を圧迫するようになります。急性であっても、そのまま放置しておくと慢性化する恐れがあるので注意が必要です。

腰椎ヘルニア

症状としては、腰の痛みだけでなく、左右どちらかの太ももから膝、足にかけて激しい痛みが起こる坐骨神経症を伴うケースが多いです。
ヘルニアの好発部位は腰椎の4番と5番の間(L4-L5)、腰椎の5番と仙骨の間(L5-S1)です。前者のヘルニアでは、ふくらはぎの外側から足の親指にかけて、後者では膝の後ろ側から足の裏側にかけて、痛みやしびれが起こります。

腰椎椎間板ヘルニアでは、背中を伸ばしているときや、寝ているときは痛みが楽になりますが、背中を丸めたり、前かがみになると神経が圧迫されて痛みやしびれが強くなる傾向があります。

■腰椎ヘルニアに対する当院でのアプローチ

まず、症状からの疾患の鑑別が大切です。
腰痛には様々な原因が考えられますが、腰や足の痺れや重さがある場合、神経性の痛みを疑います。椎間板ヘルニアに近い症状か、脊柱管狭窄症に近いか、など検査を行って疾患の可能性の有無を判断します。
症状がまだ軽い場合は、治療を行いながら様子を見る場合がありますが、状況に応じて病院での検査をしていただきます。

来院前に医師の診断済み、あるいはレントゲンやMRIなどの画像から疾患が確定した場合、治療方針を決めていきます。

痛みやシビレが患部から直接発生していないこともあり、あるいは、患部に直接触れると痛みを増強させる場合がありますので、慎重に治療をしていきます。
全身の脊柱の状態を観ながらの全身指圧や運動法などの徒手療法を行っていきます。

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