頚椎症・頚椎ヘルニアでよく処方される薬|ロキソニン・カロナール・タリージェ・リリカなどの特徴と飲み方
院長ブログ 第1回|首と頚椎の専門コラム
頚椎症・頚椎ヘルニアで
よく処方される薬
ロキソニン、カロナール、タリージェ、リリカなどの役割と違い、飲み方を確認するポイントを分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- 頚椎症・頚椎ヘルニアで使われる薬の役割と違い
- タリージェ・リリカと、ロキソニン・カロナールの違い
- 薬の名前だけでなく、服用量と副作用を確認する大切さ
薬の違いを先に整理
医療機関で頚椎症や頚椎ヘルニアと診断されると、痛みやしびれに対して薬が処方されることがあります。
よく使われるのは、ロキソニン、カロナール、タリージェ(ミロガバリン)、リリカ(プレガバリン)、トラムセット・トアラセット、ツートラム(トラマドール)、メチコバールなどです。
同じ「痛み止め」と呼ばれていても、薬によって痛みを抑える仕組みが違います。まず、この違いを理解すると、処方された薬の意味が分かりやすくなります。
大切な注意:薬の種類、服用量、増量・減量・中止については、必ず処方した医師や薬剤師に確認してください。自己判断で変更しないようにしてください。
頚椎症・頚椎ヘルニアの痛みには種類があります
頚椎症や頚椎ヘルニアでは、次のような症状が出ることがあります。
- 首や肩の痛み
- 肩甲骨の内側の痛み
- 腕の痛み
- 指先まで走るしびれ
- ビリビリ、ジンジンする痛み
- 電気が走るような神経痛
ここで大切なのは、炎症による痛みと、神経が過敏になって起こる神経障害性疼痛では、薬の効き方が異なるということです。
そのため、最初はロキソニンやカロナールが処方され、その後、神経痛が強い場合にはタリージェやリリカなどが追加・変更されることがあります。
ロキソニン・カロナールの特徴
ロキソニンは「炎症を抑える痛み止め」
ロキソニンの成分はロキソプロフェンです。炎症に関わる物質が作られるのを抑えることで、炎症や痛みを抑え、熱を下げる作用があります。
つまりロキソニンは、炎症そのものを抑える方向に働く薬です。頚椎症・頚椎ヘルニアでも、発症直後など炎症を伴っている時期に処方されることがあります。
ただし、腕から指先へ走るような強い神経痛では、「ロキソニンを飲んでもほとんど変わらない」ということがあります。痛みの中心が炎症だけではなく、神経が過敏になり、痛みの信号が強く出ている場合があるためです。
カロナールはロキソニンとは少し違います
カロナールの成分はアセトアミノフェンです。こちらも痛みに使われますが、ロキソニンとは作用の仕方が違います。
カロナールは主に中枢神経系に作用し、痛みを和らげると考えられています。ロキソニンのように強く炎症を抑える薬ではありません。
分かりやすく言えば、「炎症を抑える」というより、「痛みを和らげる薬」です。胃への負担などを考慮し、ロキソニンではなくカロナールが処方されることもあります。
ただし、カロナールも頚椎症・頚椎ヘルニアによる強い神経痛には十分効かない場合があります。
タリージェ・リリカは神経の過剰な興奮を抑える薬
頚椎ヘルニアなどで神経根が刺激されると、ビリビリする、ジンジンする、焼けるように痛い、電気が走る、腕をもいでしまいたいほど痛い、といった神経痛が出ることがあります。
このような神経痛では、神経の興奮を抑える薬が使われます。代表的なのが、タリージェ(ミロガバリン)とリリカ(プレガバリン)です。
混同しやすい点:タリージェやリリカは、神経の炎症そのものを直接抑える薬ではありません。興奮しすぎた神経から痛みの信号が出過ぎるのを抑え、痛みやしびれを感じにくくする薬です。
タリージェ(ミロガバリン)
タリージェは、頚椎症や頚椎ヘルニアに伴う神経障害性疼痛で処方されることがある薬です。神経の過剰な興奮を抑え、痛みやしびれを軽くする目的で使われます。
治療院で私が必ず確認するのは、「何mgを、1日何回飲んでいますか?」ということです。
タリージェは少量から開始し、痛みの状態や副作用を確認しながら調整されます。年齢や腎機能などを考慮し、朝2.5mg・夜2.5mg、または朝5mg・夜5mgなどから使われることがあります。その後、効果と副作用を見ながら医師が増量します。
通常の最大用量は1日30mgですが、年齢や腎機能によって使用できる量は変わります。大切なのは、薬の名前だけではなく、1日に何mg飲んでいるかを確認することです。
主な副作用として、眠気、めまい、ふらつきなどがあります。「どのくらい痛みが減ったか」と「副作用がどのくらい出たか」の両方を確認しながら使います。
リリカ(プレガバリン)
リリカもタリージェと同じように、神経の過剰な興奮を抑えて痛みやしびれを軽くする薬です。
症状や副作用、年齢、腎機能などを考慮しながら医師が量を調整します。治療院では、「リリカを飲んでいます」というだけではなく、「1回何mgを、1日何回飲んでいるか」まで確認します。
主な副作用として、眠気、めまい、ふらつき、むくみなどがあります。「リリカでは眠気が強かったけれど、タリージェなら飲めた」という場合もあれば、その逆もあり、薬との相性には個人差があります。
増量・減量・中止は自己判断せず、必ず医師の指示に従ってください。
頚椎症・頚椎ヘルニアでよくみられる薬の組み合わせ
痛みが強い場合、タリージェまたはリリカに、トラムセット、トアラセット、ツートラムなどを組み合わせて処方されることがあります。
神経の興奮を抑える薬
+
中枢に作用して強い痛みを抑える薬
例えば、タリージェ+トラムセット、タリージェ+ツートラム、リリカ+トアラセット、リリカ+ツートラムなどの組み合わせです。
患者さんから「薬が2種類出ているけれど、なぜ両方飲むのですか?」と聞かれることがありますが、それぞれ違う方法で痛みを抑えていると考えると分かりやすいでしょう。
トラムセット・トアラセット・ツートラム
頚椎症・頚椎ヘルニアで痛みが強く、ロキソニンやカロナールだけでは十分に痛みが抑えられない場合に処方されることがあります。これらには「トラマドール」という成分が使われています。
トラマドールは、脳や脊髄などに作用して痛みを感じにくくする薬です。
- トラムセット・トアラセット:トラマドール+アセトアミノフェン
- ツートラム:トラマドールを主成分とする持続性の製剤
主な副作用として、眠気、めまい、ふらつき、吐き気、便秘などがあります。タリージェやリリカと一緒に処方されることもあるため、眠気やふらつきが強い場合には医師に相談してください。
成分の重複に注意:トラムセットやトアラセットにはアセトアミノフェンが含まれています。カロナールなどを自己判断で追加すると、同じ成分が重複することがあります。痛みが強くても自己判断で薬を追加せず、医師や薬剤師に確認してください。
メチコバール
メチコバールはビタミンB12製剤で、末梢神経障害などに対して処方されることがあります。
ただし、「メチコバールを飲めば、頚椎ヘルニアの強い神経痛がすぐに消える」という種類の薬ではありません。何のために処方されているか分からない場合は、主治医や薬剤師に確認するとよいでしょう。
薬は「名前」だけでなく「量」を確認してください
これは治療院で特によく説明することです。「薬は何を飲んでいますか?」と聞くと、「タリージェです」「リリカです」「トラムセットです」と答えられても、「何mgですか?」と聞くと「分かりません」ということがあります。
神経痛に使われる薬では、量は非常に重要です。受診するときには、次の内容を把握しておくことをおすすめします。
- 薬の名前
- 1錠何mgか
- 1回何錠か
- 1日何回飲むか
- 1日の合計量
- 飲む前と後で痛みがどう変わるか
- 眠気やめまいなどの副作用があるか
お薬手帳を確認すれば簡単に分かります。
「薬が効かない」と思う前に確認してほしいこと
患者さんから「この薬は効きません」と言われることがあります。そのとき私は、「何を、何mg飲んでいますか?」と確認します。
まだ少量から調整している段階であれば、薬そのものが効かないと判断するのは早い場合があります。
反対に、ある程度調整してもほとんど変化がなく、副作用ばかり出ているのであれば、同じ薬を漫然と続けるのではなく主治医への相談が必要です。
薬は頚椎ヘルニアそのものを元に戻すものではありません
ロキソニン、カロナール、タリージェ、リリカ、トラムセット、トアラセット、ツートラムなどを飲んで痛みが軽くなっても、薬によって飛び出した椎間板が元に戻ったり、神経の圧迫そのものがなくなったりするわけではありません。
薬は、つらい痛みやしびれを抑えて急性期を乗り越えたり、日常生活を送りやすくしたりするための大切な治療の一つです。
そのうえで、症状の経過やMRI画像、身体の状態を確認しながら治療を進めていきます。
院長より
頚椎症・頚椎ヘルニアの治療では、「薬を飲んでいるか」だけではなく、「何を、どのくらい飲んで、どのくらい効いているか」を把握することがとても大切です。
病院でもらった薬を「よく分からないけれど飲んでいる」という状態にはしないでください。まず、お薬手帳を見て、薬の名前・量・1日の合計量・飲む回数・効果・副作用を確認してみてください。
薬が効かない、副作用が強い、飲み方が分からないという場合は、自己判断で中止・増量せず、担当医や薬剤師に相談してください。
アキバ手あて指圧治療院
院長 瀧本正浩
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